植物的思考②
ぅうぅさむい。
枝がどっさり雪を担いでいるところ
ぼーっと眺めてた。
この枝に抱えられた白いのん、溶けたら水なんだよなぁ。
って思ってたら、思い出した。
何年も前の夏、枝が私を雨から守ってくれたときのこと。
–
ザーッ
突然の雨
あわてて街路樹の木陰に逃げ込んだ
みるみるアスファルトが濃い色に変わっていく
でも私が立っているところ、乾いた色のまま。
思った以上にちゃんと雨宿りできているね?
ふしぎ
樹の下、内側から上を眺める
幹を軸に四方に伸ばす枝
幾重にも重なる
張り巡らされている
角度は中心から斜め上方向
え、わかっちゃった。
枝葉を伸ばすのは晴れた日に光合成をするためだけではなかったのね!?
広げた枝枝、重力を知っている。
雨を受け止め、滑り台のように自らをつたわせて
真ん中の幹に集めてる。
集めた雨たち幹をつたって表面の色はみるみる濃い色、香り立つ発色に変わってく。
遂に濃いカラーが根元まで!
これは雨たちしみしみ土に染み込ませ
自らの根っこを潤しにかかっているということか!
なんと効率的。なんと賢い。なんと美しい姿。
アスファルトに埋められていようとしっかり育つのはそういうことなんだ!?
すんごいなぁぁあ
樹の下で雨宿りする私とも利害が一致しているところも
やっぱり相性良すぎるでしょう。
(勝手に両思いにして喜ぶ)
口開けたまましばらく眺めてた
あ、雨音止んだ
と思ったら、
おでこに、ぽったん。
明らかに葉と枝がまとめて成長させた大きな雨粒ぽったん、肩にもぽったん!ふふふ!
両思いな訳ないでしょ、と、言われたみたいでこれまた喜んだ。
今度は慌てて樹の下から飛び出したら
すんごい音で雨粒地面に落としてた。
樹の下だけ大雨。
おもしろい
かわいい
すんごい!
おじゃましました、ありがとう。
–
植物は合理的だから、だんだんわかってくるのがおもしろい。
ほんとのところ本人はどう言うつもりかわからないから、わかってくる気になっているだけの可能性も大いにあるな。
そこがまたおもしろい。
YUKA